私たち人間にも、親友とふつうの友達・敵・友達でも敵でもない人・天敵がいるように、惑星の間にもいろいろな関係があります。図は惑星の友達星・中立星・敵星を示したもので、これらは永久的な関係です。ただし別の説として、ラーフは太陽・月・火星の敵星、また木星の中立星であり、ケートゥは水星の中立星、ラーフとケートゥでは友達星と敵星が逆という説もあります。 永久的な関係 【永久的な惑星の関係】 　さらに、惑星の永久的な関係を見るための方法がもうひとつあります。まず、ある惑星のムーラトリコーナ図の星座から3番目・6番目・7番目・10番目・11番目の星座の主星を探します。その中に、名前が2回登場する惑星が敵星、1回だけ登場する惑星が中立星、それ以外の星は友達星となります。太陽のムーラトリコーナである獅子座を例にとって見てみましょう。すると、獅子座から数えて3番目と10番目の星座の主星として、金星が2回登場します。また、土星も6番目と7番目の星座の主星として、2回登場します。つまり、このふたつの惑星が太陽の敵星というわけです。一方の水星は 番目の星座の主星のみに該当しますので、中立星になります。その他の惑星、つまり月・火星・木星は友達星となります。同様に、ある惑星のムーラトリコーナから2番目・4番目・5番目・8番目・9番目・12番目のいずれかの星座の主星として2回登場すれば、その惑星は友達星、それ以外は中立星となります。 　しかし、これらの規則には、覚えておくべき重要な例外があります。それは、惑星が高揚し最高星位になる星座の主星は、この規則から除外されるということです。火星と土星の関係を例にあげて見てみましょう。土星は、火星のムーラトリコーナである牡羊座から、10番目と11番目の星座の主星となっていますから、それだけを考えると土星は火星の敵星のはずです。しかし、図表を見てもわかるように、土星は火星の敵星ではなく中立星となっています。では、ここで、火星の最高星位とその主星を思い出してください。最高星位は山羊座、そしてその主星は土星です。そのため、土星は火星の敵星ではなく中立星となるわけです。この法則で調べてみると、月はまったく敵星をもたないことが判明します。さらに、もうひとつの例外として、太陽と月はそれぞれひとつずつしか室をもたないので、1回現れただけでも友達星または敵星となります。 一時的な関係 　さらに、永久的な関係に対して、一時的な関係というものもあります。 　ある惑星が位置する室から前後3室にある惑星、またはある星座から数えて前後3つずつの星座は、その惑星の一時的な友達星になります。すなわち、2番目・3番目・4番目、それに12番目・11番目・10番目の室、または星座に位置する惑星は、一時的な友達星となるのです。太陽と土星が蠍座、火星と木星が天秤座、水星が射手座、金星が山羊座にあると仮定します。このクンダリーでは、太陽もしくは土星にとって、次の4つが一時的な友達星になります。水星・金星・火星・木星です。同じ星座にいる惑星は、図に明記されていない星座に入っている惑星と同様に、敵星となります。 関係の組み合わせ 　永久的な友達でもあり、一時的な友達でもある惑星は、とても親密な親友です。逆に、永久的な敵でもあり、一時的な敵でもある惑星は、辛辣な強敵です。また、永久的な敵星であっても、一時的に友達星になる場合は、中立星になります。中立星が一時的に友達星になれば、友達星とみなします。 〈補　足〉 　一時的な関係を調べる、もう一つの方法があります。惑星が位置する星座の主星と、その主星が位置する星座との関係で調べる方法です。友達星となる位置関係は、惑星の位置する星座の2・3・4番目と10・11・12番目であることは、前述した一時的な関係と変わりません。 　例をあげて説明しましょう。月が天秤座にあり、天秤座の主星である金星が、魚座に位置する場合は、まず、図の永久的な惑星の関係から、月からみた金星の関係を調べます。永久的な関係は中立です。次に、一時的な関係を調べます。金星が位置する星座（ここでは魚座）は、天秤座から6番目に位置するので、図をみてのとおり、敵となります。永久的な関係は中立で、一時的な関係は敵の場合、図をみてのとおり、敵となります。 　もし金星が蟹座に位置した場合はどうでしょう。永久的な関係は中立ですが、一時的な関係は、天秤座に対して10番目になるので、友達になります。中立と友達では、友達になります。この関係の組み合わせは、図をみてください。