ミス・ペルセフォネー責任編集 インド占星術講座
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第1回-2 12星座と7つのカーラカ

 天の恵みの太陽は惑星の王国の王様であり、支配者でもありました。月はその太陽の妻です。つまり、黄道12宮は神聖な王様夫妻に支配されていたというわけです。太陽は獅子座から山羊座までの6星座を支配し、その妃である月は蟹座から始まって、時計の逆回りに数えた6星座を支配していました。

12星座と7つのカーラカ
 そして、太陽と月はそれぞれの支配下にある獅子座と蟹座を 宮殿として住んでいたのです。(もしくは、これらふたつの星座はそれぞれ、宮殿の前方部と 後方部にあたり、夫である太陽は前方の獅子座で仕事をし、妻である月は宮殿の後方の蟹座で役割を果たしていたとも表現できます)。
 この夫婦は寛大な夫婦と伝えられていたので、5つの惑星たちが、家が欲しいと訪ねてきました。家のない人が、住む場所を求めるのは当然のことです。最初に、太陽にもっとも近い水星が、家を求めて太陽のところにやってきました。かわいそうに思った太陽は、自分の宮殿の隣の家、すなわち乙女座を水星に与えました。しかし、水星はその家に満足せず、月のところへいき、王様からもうすでに家をもらったことを隠して、月に同じお願いをしました。月は彼女の隣の家、すなわち双子座を水星に与えました。このようにして水星はふたつの家、乙女座と双子座を得たのです。
 この出来事は、金星・火星・木星・土星の耳にも入りました。そして、これらの惑星たちは次々と気前の良い王様夫妻をだまし、宮殿のみを残して、他の家をふたつずつ手に入れてしまったのです。金星は天秤座と牡牛座、火星は蠍座と牡羊座、木星は射手座と魚座、そして最後に土星は山羊座と水瓶座のカーラカ[支配星]になったわけです。
 奇数星座である牡羊座双子座獅子座天秤座射手座水瓶座はクルーラ[激しい星座]と呼ばれ、偶数星座である牡牛座蟹座乙女座蠍座山羊座魚座はサウミャ[静かな星座]と呼ばれています。また、奇数は男性星座、偶数は女性星座とも呼ばれます。
奇数星座
クルーラ
男性星座
1.牡羊座 3.双子座 5.獅子座 7.天秤座 9.射手座 11.水瓶座
偶数星座
サウミャ
女性星座
2.牡牛座 4.蟹 座 6.乙女座 8.蠍 座 10.山羊座 12.魚 座
 また、12星座は3星座ずつ、4つのグループに分けられます。第1グループには運動星座[チャララーシ]の牡羊座、不動星座[スティララーシ]の牡牛座、変通星座[ドヴィスヴァバーヴァラーシ]の双子座が入ります。第2グループには蟹座[運動星座]、獅子座[不動星座]、乙女座[変通星座]。第3グループは天秤座[運動星座]、蠍座[不動星座]、射手座[変通星座]。第4グループは山羊座[運動星座]、水瓶座[不動星座]、魚座[変通星座]となります。各グループの3星座は順に、運動星座が鉱物[ダートゥ]、不動星座が根[ムーラ]、変通星座が生物[ジーヴァ]と呼ばれることもあります。
第1グループ 第2グループ 第3グループ 第4グループ
運動星座(鉱物) 牡羊座 蟹 座 天秤座 山羊座
不動星座(根) 牡牛座 獅子座 蠍 座 水瓶座
変通星座(生物) 双子座 乙女座 射手座 魚 座
星座の象徴
 牡羊座から始まる12星座の象徴は次のとおりです。牡羊座は羊、牡牛座は牛、双子座は棒をもった男とリュートをもった女のカップル、蟹座は蟹、獅子座は獅子、乙女座は炉火と緑の葉をもち小舟に座っている乙女、天秤座は秤をもつ男、蠍座は蠍、射手座は馬にまたがり弓をもつ男、山羊座は鹿の顔をもつワニ、水瓶座は瓶をもつ男、魚座は一対の魚。 蟹座・蠍座・山羊座・魚座の象徴は水中で生活する生物です。牡牛座・乙女座・天秤座・水瓶座の象徴は水に関係しているもの、水のある場所を好んでいるものです。残りの星座、牡羊座・双子座・獅子座・射手座の象徴は地上で生活する生物です。現在、は虫類は蠍座のみに用いられていますが、以前は、蟹座・蠍座・魚座もは虫類といわれていました。
 これらの星座の象徴が存在する背景は、牡羊座は森または高原、牡牛座は野原または牧場、双子座は寝室または村、蟹座は池または水たまり、獅子座は山の洞窟、乙女座は水のある場所または草木、天秤座は市場または繁華街、蠍座は窪地、射手座は戦場または王様が集まるところ、山羊座はたくさんの水がある森、水瓶座は壺を作る人々が集まる場所、魚座は水となります。
 牡羊座・牡牛座・獅子座・射手座の後ろ半分、山羊座の前半分は四足獣の星座といわれます。は虫類の星座についてはすでに述べました。双子座・乙女座・天秤座・射手座の前半分、水瓶座は人象星座として表されます。このように、4つと2分の1の星座は人象、4つの星座(3つの星座と2つの2分の1の星座)は四足獣、3つの星座は、は虫類と分類されます。残りの2分の1の星座、ワニである山羊座の後ろ半分については、水の生物という以外に、特別な名前はないようです。
星座の象徴
星座 星座の象徴 生活場所 星座を象徴する背景 種類
牡羊座 地上 森・高原 四足獣
牡牛座 水に関係 野原・牧場 四足獣
双子座 棒をもった男と
リュートをもった
女のカップル
地上 寝室・村 人象
蟹 座 水中 池・水たまり は虫類
獅子座 獅子 地上 山の洞窟 四足獣
乙女座 炉火と緑の葉をもち小舟に座っている乙女 水に関係 水のある場所・草木 人象
天秤座 秤をもつ男 水に関係 市場・繁華街 人象
蠍 座 水中 窪地 は虫類
射手座 馬にまたがり弓をもつ男 地上 戦場・王様が集まるところ 人象・四足獣
山羊座 鹿の顔をもつワニ 水中 たくさんの水がある森 四足獣・水の生物
水瓶座 瓶をもつ男 水に関係 壺を作る人々が集まる場所 人象
魚 座 一対の魚 水中 は虫類
 さて、星座はどのように昇ってくるのでしょうか。全部の星座が、同じように上昇するとは思わないでください。頭から先に現れる星座もあれば、後ろから姿を現すものもあります。 昼の星座・夜の星座・黄昏時の星座
昼の星座・夜の星座・黄昏時の星座
 1.プルシュトーダヤ 牡羊座・牡牛座・蟹座・射手座・山羊座はまず先に後ろの部分から現れますが、2.シルショーダヤ 獅子座・乙女座・天秤座・蠍座・水瓶座は頭から現れます。3.ウバヨーダヤ 双子座と魚座は、ふたつのものがおたがいに向きあって上昇するので、両方の現れ方をします。


昼の星・その他

 シルショーダヤの星座は太陽に支配され、昼の星座といわれます。一方、プルシュトーダヤの星座と双子座は月の支配で、夜の星座といわれます。魚座は黄昏時の星座です。

星座の示す方向

 牡羊座・獅子座・射手座は東、牡牛座・乙女座・山羊座は南、双子座・天秤座・水瓶座は西、蟹座・蠍座・魚座は北を表します。8方向を見たい場合は、牡羊座・牡牛座を東、双子座を南東、蟹座・獅子座を南、乙女座を南西、天秤座・蠍座を西、射手座を北西、山羊座・水瓶座を北、そして魚座を北東にします。

星座のカースト

 蟹座・蠍座・魚座はブラーフミン[僧侶・教育者]、牡羊座・獅子座・射手座はクシャトリヤ[戦士]、
双子座・天秤座・水瓶座はバイシャ[商人]、牡牛座・乙女座・山羊座はスードラ[労働者]です。また、12星座のうち、牡羊座から蠍座までの8星座を物質の星座、射手座から魚座までの4星座を哲学の星座といいます。

星座の色

 12星座の色は順に牡羊座は赤、牡牛座は白、双子座は緑色、蟹座は桃色、獅子座は茶色、乙女座は灰色、天秤座は雑色、蠍座は黒、射手座は金色、山羊座は黄色、水瓶座は雑色、魚座は濃い茶色となります。

星座の体格

 牡羊座・牡牛座・水瓶座・魚座は背が低く、双子座・蟹座・射手座・山羊座は中背、獅子座・乙女座・天秤座・蠍座は背が高いといわれます。

カーラプルシャ

 カーラプルシャとは身体の部位という意味です。黄道帯には12の星座がありますが、全体を至高者の身体と考え、12星座をそれぞれ牡羊座は頭、牡牛座は顔、双子座は首、蟹座は腕、獅子座は心臓、乙女座は胃、天秤座は腹、蠍座は生殖器、射手座は大腿、山羊座は膝、水瓶座はすね、魚座は足の部分にあてはめます。

 さて、クンダリーでは、ラグナにあたる星座が重要ですから、ここで、ラグナについてお話ししましょう。黄道帯は車輪のようで、ときの流れとともに回転しています。太陽が東の地平線に昇る瞬間に上昇星座が決まり、つづいて地平線上に次々と星座が姿を現します。こうして、誕生時に地平線に昇ってくる星座があります。それが、ラグナです。

 カーラプルシャは前述のとおり、宇宙全体を身体と見なしたものですが、クンダリーにもあてはめることができ、その場合はラグナが出発点になります。つまり、ラグナが人の頭になり、次の室が顔というようにあてはめていきます。ラグナの計算法や、クンダリーに関するその他の詳細はあとで説明しましょう。
星座の方向・カースト・色・体格・身体の部位
星座 方向 カースト 体格 カーラプラシャ
牡羊座 東/東 クシャトリヤ
[戦士]
背が低い 物質の星座
牡牛座 南/東 スードラ
[労働者]
背が低い
双子座 西/南東 バイシャ
[商人]
緑色 中背
蟹 座 北/南 ブラーフミン
[僧侶・教育者]
桃色 中背
獅子座 東/南 クシャトリヤ
[戦士]
茶色 背が高い 心臓
乙女座 南/南西 スードラ[労働者] 灰色 背が高い
天秤座 西/西 バイシャ
[商人]
雑色 背が高い
蠍 座 北/西 ブラーフミン
[僧侶・教育者]
背が高い 生殖器
射手座 東/北西 クシャトリヤ
[戦士]
金色 中背 大腿 哲学の星座
山羊座 南/北 スードラ
[労働者]
黄色 中背
水瓶座 西/北 バイシャ
[商人]
雑色 背が低い すね
魚 座 北/北東 ブラーフミン
[僧侶・教育者]
濃い茶色 背が低い
星座の力

 人象星座がラグナになっているならば、その星座は強い力をもちます。四足獣の星座の場合は、ラグナから第10室にあるときに強い力をもちます。は虫類の星座は、ラグナから第7室にあるときに、水の生物の星座はラグナから
第4室にあるときに強くなります。

 たとえば、射手座の前半分にラグナが入っていたとします。その場合、この星座は強い力をもつことになります。魚座がラグナから第4室にあれば、魚座は水中で生活している星座ですから、これも強くなります。また、双子座と乙女座は両方とも人象星座ですから、ラグナから第7室や第10室にあっても強い力をもちません。前に説明した、昼の星座と夜の星座もそれぞれの時間に強くなりますので重要です。
星座の力
人象星座 ラグナ 双子座 乙女座 天秤座 水瓶座 射手座の前半
四足獣 の星座 ラグナから第10室 牡羊座 牡牛座 獅子座 射手座の後半 山羊座の前半
は虫類 の星座 ラグナから第7室 蟹座 蠍座 魚座
水の生物の星座 ラグナから第4室 山羊座の後半(魚座)


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