占術・用語解説

■インド占星術の概略

 ここでは、インド占星術そのものを理解するうえで必要な「カルマ」「前世」等の概念についてご説明します。

 そもそもインド占星術では、輪廻転生(りんねてんしょう)、つまり、すべての生き物の魂は何度も肉体を得て、この世に生まれ変わるということを前提として、人々の人生を考えます。

 では、なぜ魂は何度も生まれ変わる必要があるのでしょうか? それは、魂がさまざまな事柄を学び、より高いレベルに昇っていくためです。そして、最終的なレベルに到達すると、「解脱(げだつ)」と言って、この世に再び生まれ落ちてくることはなくなるのです。

 さて、魂が前世を生きていたときの行いを「カルマ」と言います。これは、時空を超えて、あなたの現世にさまざまな影響を与えます。前世での行いが善いと、現世に幸福が、前世で悪事を行うと、現世でその罰を受けます。

 つまり、この「カルマ」を知ることで、現世での、あなたの魂の傾向や現世でなすべきこと、現世で起こることなどがわかるのです。

■インド占星術用語解説

 ここでは、番組内に出てくる用語についてご説明します。

・カルマ

 行動、行い、行為の結果という意味の言葉。前世が与える現世への影響について指すことが多いと言えます。

・惑星

 インド占星術では、太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星、ラーフ(太陽と月の軌道の北側の交点)、ケートゥ(太陽と月の軌道の南側の交点)の9つの惑星を使って占いを行います。厳密には、太陽は「恒星」、月は「衛星」ですし、ラーフとケートゥは「感受点」と言いますが、占星術においては、これらを含めて「惑星」と呼ぶのが一般的です。

・クンダリー

 インド占星術で使用する、星の配置図です。大きく、「北インド式」と「南インド式」という2種類があります。この番組では北インド式を採用しています。星の位置の出し方(計算方法)によって、「ラーシクンダリー」、「チャンドラクンダリー(出生時間不明のとき専用)」、「プラシュナクンダリー」などの種類に分けられます。

 また、クンダリーを12分割した、それぞれのスペースを「室(ハウス)」と呼びます。どの惑星が何室にいるかによって、占うことができます。第1室には特別に「ラグナ」という名前がついています。
北インド式クンダリー
北インド式クンダリー
南インド式クンダリー
南インド式クンダリー

・ナクシャトラ

 インド占星術では、天体の位置を27種類に分類することがあります。分割されたひとつずつを「ナクシャトラ(星宿)」と呼び、それぞれ固有の名前がつけられています。自分が生まれたときに、どの惑星がどのナクシャトラにいたか、といった方法で占いますが、なかでもとくに月のナクシャトラは重要とされます。 27のナクシャトラ

■各種クンダリーについて

 番組内で使用する各種クンダリーについてご説明します。この番組では、以下の3つのクンダリーが登場します。

★ラーシクンダリー(出生時間があいまいな場合と不明の場合はチャンドラクンダリー)

 「ラーシクンダリー」は、生まれた瞬間の太陽の位置を基準(ラグナ)として作成するクンダリーです。この番組では、出生時間がわかっているときに使います。

 「チャンドラクンダリー」は、生まれた日の月の位置を基準(ラグナ)として作成するクンダリーです。この番組では、出生時間があいまいにわかっているとき、出生時間がわからないときに使います。

★プラシュナクンダリー

 インド占星術では、占いたい人が占者に質問した瞬間の星の配置をもとにして占う「プラシュナ」という特殊な占法があります(この番組では、「占う」ボタンを押した瞬間を基準にします)。この占法を使うときに作成するクンダリーを「プラシュナクンダリー」と言います。

■各室の意味

クンダリー
第1室…本人の運命、身体、性質
第2室…財産、富、家族
第3室…弟妹、勇気、交流、力
第4室…母親、心の幸福、教育、家、故郷
第5室…子孫、恋愛、研究
第6室…負債、病気、労働、障害
第7室…結婚、協力、生殖
第8室…生死、寿命、遺産、災難
第9室…幸運、師、神仏、道徳
第10室…カルマ、父親、職業
第11室…取得、収入、人脈
第12室…喪失、投獄、罪の償い

■各惑星の意味

太陽 太陽…自我、権威、自信、プライド、魂
月 月…心、身体、感受性、環境
火星 火星…エネルギー、怒り、闘争心
水星 水星…知力、表現、言葉
木星 木星…知識、創造力、師、英知
金星 金星…精力、愛情、願望
土星 土星…試練、労働、老い、悲しみ
ラーフ ラーフ(太陽と月の軌道の北側の交点)…尽きない欲望、願望
ケートゥ ケートゥ(太陽と月の軌道の南側の交点)…放棄、無執着へのあくなき欲望
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