ジャンからのメッセージ
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vol.7
「旅の道連れ」
The People We Travel with

 先週、バーナード(過去15年にわたり、信頼している私のお気に入りの美容師)にヘアメイクをしてもらった後、私は夜のニューヨークシティーを歩いていました。顔に当たる空気がとても暖かく、心地よい晩でした。この街に住むようになって、かれこれ20年近く。5番街に建ち並ぶ有名なショップ、タクシー、行き交う人々……見慣れたこの光景は私にとって故郷のように思えます。

 私は友人のデブラとワインでも飲もうということで、待ち合わせ場所のザ・ピエール(訳注:セントラルパークに面した古い小さなホテル)に入りました。ピエールのエレガントで洗練されたたたずまいは、訪れる私をいつでもリラックスさせてくれます。

 ここに1年以上も来ていなかったので、友人でもあるバーテンダーのジョーと久しぶりに会い、彼や家族の近況を聞けるのはうれしいことでした。3年程前、彼は奥さんを亡くし、3人の子供たちのうちの2人が、彼の家に戻ってきていました。孫の話になるたびに、彼の顔がぱっと明るい笑顔になります。彼は本当に誠実な人で、生涯を家族のために生き、そしてザ・ピエールのお客さんのために生きてきた人です。

 ピエールでデブラを待っている間、ジョーがやってきて、私が今飲んでいるワインをご馳走しくれた人がいると教えてくれて、右側のテーブルをちらりと見やりました。そのテーブルを見ると、そこにはかれこれ一年以上会っていなかった、ウォール街の友人たちが座っていました。

 私はすぐにそのテーブルに移動して、ワイングラスを傾けながら、しばらくみんなの近況を訊ね合い、ジョークを言ったりしてとても楽しいひと時を過しました。この友人たちは60代後半の男性で、長い間、毎週集まってはこうしてともに過している人たちです。その仲間の一人、ジミーは、この頃体調を崩しているということで、 その場にいませんでした。今、ここにジミーがいないのはさびしいけれど、この30年余り、毎週のように仲間の一人として顔を出していたジミーの存在感は、今も変わりません。

 この出来事で私が感じたのは、私たちは身体というタイムリミットのある"入れ物"に入っている間の人生はとても短いということ。 地球上に滞在する短い人生の期間に、私たちは限られた人数の人々と親しくなり、その人たちとともに一緒に人生の旅を続けるという恩恵を受けるのです。

 友人、家族、同僚、そのつながりはさまざまで、たまにしか会えなかったとしても、彼らはみな自分の人生という"織物"を彩る大事な構成要素なのです。その人たちが私たちの人生のどこかに登場し、お互いを思いやることでエネルギーを交換できるということは、 私たちにとって大きな特権なのです。

 私の人生に縁あって登場し、私と個人的な関係を結んでいる、これらの人々がもたらすことの深い意味を理解し、一人ひとりに対する感謝の気持ちをこれまでにも増して感じているこの頃の私です。








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