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占星術と親しむことのメリットはたくさんありますが、その一つに、自分自身や出来事を客観的に見られることが挙げられます。 何年か前のこと、私は精神世界の叡智を教えてくれる先生を訪ねて、プエルトリコに行きました。当時の私の目標は、“悟りの境地”にたどり着くことでした。高い精神性を身につけることに集中していた私は、毎日の時間の1/3以上を修行のために使い、道場などに通って真剣に“悟り”に至る修行を積んでいました。そんな生活をしていた私にとって、半年間、当時の仕事を休んでプエルトリコで、この導師について修行をすることはごく自然な選択であり、私の運命の道であったと思います。 ある朝、私はプエルトリコで借りていた小さなコンドミニアムの一室で目覚めるなり、強い怒りを感じました。私はその感情を心の中から振り払おうと、努めて前向きな考えを取り込み、中米の新鮮でおいしいフルーツの皮を剥いて朝食の準備をしていました。けれども怒りの感情はなかなか消えず、なくなったと思うとすぐに戻ってくるのです。 「彼は私に○○をした!」「彼は○○と言ったけれど、それは間違っていた!」などと考えるうちに、怒りはますます強くなりました。それで私は自分の心に起きていることを冷静に見つめ、自分にこう問いかけました。「一体私は何を考えていると言うの? 彼は私に一つもひどい仕打ちなどしていないのに」……こう考えているうちに気持ちが落ち着いてきました。けれどもそれから数分としないうちに、また怒りの感情が戻ってきて、私の心は導師に対する不満や批判で渦巻いていきました。 こんな調子で20分ほど心の葛藤を続けた挙句、とうとう私は自分にこう問いかけました。「ジャン、一体どうしたっていうの? あなたに何が起きているの?」そしてはたと思いついたのは、プエルトリコ島で私が知っているのは導師ただ一人だということ。私がここで何かを責めたて、怒りを感じる対象となれる人は彼しかいません! 私は導師しか身近にいなかったため、彼をひどく責め立てていたのです! 私はすぐにベッドルームに置いてある書棚の中から天文暦(惑星同士の位置関係を計算するために占星術家が使う書物)を取り出しました。調べてみると、まさにその朝、火星が、私の生まれたときのホロスコープに配置された冥王星(怒りや、激しい自我のエネルギーの爆発をつかさどる惑星)と重なり合って刺激していたのです。火星はその日の午後には冥王星を通過して、その影響もなくなることになっていました。 多くの場合、私たちの心に沸き起こる喜怒哀楽は、身の回りの人々や出来事とは無関係だということを鮮やかに知らせてくれたエピソードでした。ある日突然、怒りや悲しみ、喜びの感情などがやってきます。私たちがそれらの感情の理由を身の回りの何かに結びつけなければ、自然にどこかへ消えていくものなのです。
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