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2004年、私の大好きな義理の姉が脳腫瘍(のうしゅよう)と診断されました。「なんてひどいことなの?」……それがペギーの家族や友人の最初の反応でした。もちろん私もそう感じました。けれども人の運命には、現象からはうかがい知れない、深い意味が隠されているのです。 義姉ペギーは、心底から献身的な人です。これまでの5年間、彼女は年老いた母親の面倒をひとりで見てきました。母親に家を買い与え、24時間母親の面倒を見てくれる介護者を雇い、ペギー自身は毎週3日間を母親とともに過ごしていました。彼女の父親も、同じように助けを必要とする体になったため、ペギーは父親の家にも3日通い、食料品を調達し、身の回りの世話をしていました。 ペギーには妹がいますが、妹もつねに健康問題を抱え、ペギーを頼っていたので、両親の世話ができる状態ではありません。ペギーの娘は経済的にも精神的にもまだ自立できていません。私の兄である、ペギーの夫でさえ、自分の目的を達成するためにやさしいペギーをいつも必要としていました。ペギーはよくこう言っていました。「みんなの願いをかなえてあげるほうが、『NO』と言うよりずっと簡単なの。断ったあとの気まずさに耐えるより、自分がつらくても協力したほうが気分がいいでしょう?」。こうしてペギーは典型的な自己犠牲のパターンにおちいっていました。 脳腫瘍と闘うことになった今、ペギーはもう他人のために何をすることもできません。生き延びるために、ペギーは自分が変わることを運命に余儀なくされたのです。そして、まるで魔法にかかったかのように、それまでペギーに頼りきっていた人たちが次々と、ペギーがひとりで背負っていた責任を果たそうと動き始めました。ペギーの娘は、母親の「お荷物」から、強力な「助っ人」に大変身。ペギーの息子は、彼の母親と祖父母のために行動を起こしました。私の兄はもともと寛大な人ですが、人生のすべてをペギーのためにという視点で生き直す決心をしました。ペギーが心から愛した人たちは、ペギーの緊急事態に瀕(ひん)し、一生懸命学び、責任をもって生き始めたのです。そして全員がペギーの全快を願い、行動しました。 深刻な癌(がん)が見つかったとき、多くの場合、癌患者当人は「今私は耐えがたい状況にある、もう助からないだろう」と絶望的になるものです。 ペギーはもう、そんな気持ちを心から追い出しています。自己犠牲のもとになんでも受け入れていた彼女が、自分を苦境に立たせるような対象にきっぱりと「NO」と言い始めました。ペギーのまわりの人たちが本来自分で負うべき責任ばかりを背負っていたペギーが、病気のお陰で今度は自分の体のために負うべき責任を果たすことになりました。今彼女は、一般の医学の選択肢に加え、代替医療による治療法も進んで受けています。きっと克服してくれるものと、私は信じています。 占星術を通じてこれまで多くの人々とかかわってきましたが、私は健康問題をはじめ、経済、人間関係の深い悩みを克服し、幸せをつかんできた人々をたくさん知っています。人の世に悩みはつきものですが、どんな場合にも、人を悩ませる問題のデメリットを補って余りある、すばらしい宝物が隠されています。宝物を手にするかどうかは、問題から逃げずに正面から受け止めることに懸かっています。「運命の神様は私を愛してくれている。今私に起きていることには、きっとなんらかの福音があるに違いない」……こう考え、目の前の状況を受け入れると、宇宙全体の流れに乗ってすべてが動き始めます。そして悩みが解決したのちには、以前よりずっと力強く、幸福な人生が待っているのです。
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