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私たちが何かを感じたり行動したりするとき、それは何かが起きたという自分の“現状認識”にもとづいているだけで、厳密には実際起きている状況に直接反応しているわけではありません。私たちの認識が正しければ、それにもとづく反応も適切なものになるでしょう。けれども、起きている出来事の認識や状況判断が誤っていると、それにもとづく言動も不適切なものになり、往々にして本人に弊害をもたらすことになります。 最近、それを立証する出来事に遭遇しました。3週間前に私は新しいコンドミニアムに引っ越したのですが、昨夜、リビングルームの床を這うゴキブリを見つけ、大変ショックを受けたのです。この建物自体は清潔なのですが、温暖な気候のおかげでこのあたり全体としては、虫が多いという話は聞いていました。 そして今朝のことです。新しい本の執筆のため、パソコンに向かっていたとき、私は左上の視界で何か動くものに気づきました。「ゴキブリだ!」私はその瞬間に飛び上がりました。全身がばねのように激しく反応したのです。ところが、よくよく見てみれば、黒い小さなペンがテープレコーダーの上に転がり落ちただけのことでした。――昨夜の“事件”が尾を引いていたために起きた、現状認識の誤りです。おかげで私は見当違いのものに激しく反応してしまったわけです。 これはほんの小さな日常のエピソードですが、もっと大きなダメージを与える状況の誤認も少なくありません。たとえば、あなたのパートナーがパーティで魅力的な異性と楽しげに会話をしていたとします。その様子はあなたにとって、“パートナーの浮気”という脅威として映ることもあるでしょう。脅威ととらえると、嫉妬心と所有欲がむくむくと頭をもたげ、あなたを不快にさせるでしょう。嫉妬心と所有欲は、あなたをこんな行動に駆り立てるかもしれません。パートナーを非難する、すねて黙り込む、あるいはこれ見よがしな態度で嫌みっぽく振る舞う……。 これに対し、あなたの状況判断が“パートナーの浮気”ではなく、ただ会話をしているだけという“事実”のまま、冷静に受けとめていたらどうでしょう。少なくとも「浮気に違いない」と結論を急がず、実際に何が起きているのかさりげなく本人に聞いてみると、その女性はパートナーが進めようとしている仕事の取引先の秘書だったとか、あるいは、ただその場の雰囲気を楽しんでいるだけだったということが判明するかもしれません。 人生では、不十分な状況判断ですぐに結論を引き出してしまうことがよく起こります。よく事実確認しないで激しく反応してしまう前に、ひと呼吸おいて偏見や先入観のない心で情報収集することは、非常に大切なステップです。人生はほとんどすべてが認識次第だということを考えても、時間をかけて状況をじっくり吟味することの意義は計り知れません。
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