ジャンからのメッセージ
魂を知る占いTOP ジャンからのメッセージINDEX
vol.13
「辛抱強く待つということ」
Patience

 私はもともと辛抱強さには自信がありません。私たちは生きている過程のなかで、みな人格の弱いところを強化し、よりバランスの取れた健全な人柄を、遅かれ早かれ身につける運命にあります。そして私もその運命に従って、ときどき苦手な辛抱強さを試される機会に恵まれるのです。そしてそのたびに、じっと待つことがいかに大切なことかを思い知らされます。

 つい最近、私は生涯最悪といっていいほどのインフルエンザにかかりました。普通のインフルエンザなら2、3日で治まるのですが、これはニューヨークではやっていたインフルエンザとカゼと気管支炎の合併症で、症状が始まってから身体を通り過ぎるまで優に3週間はかかるという代物でした。私は「かかったかな?」と感じたとき、すぐに私流の「インフルエンザ対策」モードに入りました。これはホメオパシー(同種療法)を取り入れたもので、オレンジジュースを飲んで、「私は元気。病気にはならないわ!」と自分に言い聞かせるというものです。これで発病が少し遅れたかどうかは定かではありませんが、確かなのは、結局私はそのインフルエンザから逃れられなかったということ。

 体調が悪くなって3日目のこと。私は友達に電話でこんなことを言っていました。「まだちょっと具合が悪いんだけど、明日になればもうだいじょうぶ。きっと明日の朝はさわやかな目覚めが待っているわ!」そしていつもどおり、盛りだくさんのスケジュールを組んで、明日には体調が回復し、普段どおりの行動をこなせるようになると自分にいい聞かせていました。

 そんな状態が1週間ほど続いたとき、私はこんなことに気づきました。「こんなことをしている間も私は生きている。これも私の人生の一片なんだわ。忙しい毎日を送り、新聞のコラムをせっせと書いているのも私。そしてこうしてじっとインフルエンザにかかって何もせずにじっとしているのも私……」

 振り返れば、私は自分の時間とエネルギーのほとんどを、“未来”の自分を築くために費やしてきました。そのとき私は、人生の歩みを遅くして、“今”という瞬間を楽しむ時間をほとんど作ってこなかったことに気づいたのです。

 友達のデブラも私と同じインフルエンザにかかりました。私は彼女と電話で話しているうちに、彼女が私とはまったく違うアプローチで同じインフルエンザを受け止めていることに気づきました。デブラは自分がどんな治療をしているかを話してくれましたが、それは病気と闘うというよりは、基本的に病気が彼女の身体を通り過ぎるに任せるという方法でした。

 デブラは辛抱強い人です。もし、インフルエンザに抵抗せず、観念して身体を通り過ぎるのを待つだけの辛抱強さが私にもあれば、(実際、私がどれほど病気の猛威に抵抗して薬で症状の経過を早めようとしても、病気が身体を通り過ぎるまでは治らないことに変わりはありませんが)私はもっとリラックスして静かに家で過ごしながら、そういうときならではの洞察やひらめきを楽しむこともできたでしょう。

 人が自分の性格の弱い部分を克服するとき、そこにはその苦手な要素がいかに大切なことかを理解したときに初めて見えてくるすばらしい美徳が隠されているものです。正直であることを学んだ人が手に入れる美徳は、その人自身の真の姿が見えるということ。寛大さを学んだ人が手に入れるのは、その人の人生もまた寛大な宇宙の摂理に抱かれているといううれしい恩恵に気づくこと。そして、辛抱強く待つことを学んだ人が手に入れられるのは、毎日どんなことが起きるか分からないという、臨場感あふれる喜びなのかもしれません。








魂が記憶する前世の章へ前世の章へ 自己を改革する学びの章へ学びの章へ 愛と成功をつかむ魂のアドバイスの章へ愛と成功の章へ
幸運の扉の章へ幸運の扉の章へ 大切な人たちとの、愛ときずなの章へ愛ときずなの章へ 魂の成長を促す章へ魂の成長を促す章へ






Copyright Telsys Network CO.,LTD.
このページの無断転用・転記を禁じます。