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人間とは何と欠点だらけの、なさけない生き物だろう――こう思ったことはありませんか? 人には欠点がつきものですが、ことが自分の欠点となると、気になって仕方がないものです。そしてようやく治すことができるが早いか、すぐに別の欠点が現れ、今度はそれが気になって仕方がない。それはまるで無限に続くいたちごっこのようにも思えます。 前回も書きましたが、私は好きな人の前に出るとどうしても自分らしく振舞えないという“欠点”に悩まされてきました。それでこの頃ボーイフレンドの前で、意識して自分の“本当の姿”を見せるという“実験”をしています。それまで経験のないことにチャレンジするのはほんとうに恐ろしいものです。好きな相手の前で、ぎこちない気持ちになることなく、ごく当たり前のように素の自分を見せられるようになるまでには、まだまだ長い時間がかかることでしょう。 ある朝、私はベッドから出て起きる準備をしていると、ボーイフレンドが車庫からクルマを出している音が聞こえました。そして私は彼が私に「行ってくるよ」と言わずに仕事に行こうとしているんだ、と“想像”しました。心に感じたことをそのまま表現し、本当の自分を出す“実験”をしている最中の私は、そのまま黙ってやり過ごす代わりにベランダに出て行って、「行ってらっしゃい!」と声をかけ、手を振りました。でもその手はどこか不自然で、あまり元気のない挨拶になってしまいました。 彼は家に入ってきてこう言いました。「どこにも出かけたりしないさ。ごみを出すのに車が邪魔だったから移動しただけなんだ」そして彼はさっきの私の真似をして手を振って見せました。彼はぎこちなく手を振った私の様子を見逃しませんでした。彼が真似をした私の「さよなら」の仕方はやさしいお見送りの挨拶とは程遠く、そこには私の別の欠点が浮き彫りにされているようでした。「やれやれ」と私はため息をつきました。 「ありのままの自分を素直に表現する」という課題のもとで実験をしていると、別の欠点がつられて表面に出てきます。こんな別の欠点もあったから、私は自分をありのまま表現できなかったというわけね。でも隠そうとしていたいろいろな欠点がこの実験をきっかけにしてもっと出てきたら、私は一体どう対処したらいいのでしょうか? 全部を一気に片付けるのは無理というものです。 そこで私は自分にこう言い聞かせました。「今は自分の感情を素直に相手に伝える訓練をしているところだから、それに専念することにしましょう」心に浮かんだ感情や考え、不安を飲み込まないで愛する人に打ち明ける……この課題をこなすだけで今は精一杯。これ以外の問題はもっと後で考えるようにしよう、と。 人生とはタマネギの皮をむいているようなもの。……自分という存在の核心に迫るには、一枚ずつ丁寧にはがし続けるしかありません。そしてその過程こそが生きるということなのですね。
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