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vol.5
「運命とソウルメイト」
Destiny and Soul Mates

 10年前、ある男性が私の前に現れ、私は恋に落ちました。彼も私に熱中し、私は結婚を申し込まれました。お互いに強く惹かれ合っていたので、私は彼に心を開いたのです。

 彼は米国南部のテキサス州ダラス、私は東部のニューヨークシティに住んでいたので、デートは旅行なしには実現しませんでした。

 二人が出会ってから彼が初めてニューヨークを訪問するという1週間前、彼は友人たちと登山に行き、全員で滑落して怪我を負ってしまいました。

 それから数日後、友人たちはみな全快しましたが彼だけは回復が遅れ、ニューヨーク行きを延期しました。めくるめく出会いをしてから月日はどんどん過ぎていきました。

 そこに彼の元彼女が登場します。彼女は彼と同じダラスに住んでいたので、「元サヤ」に収まり結婚したいと願い、再び彼にアプローチして来たのです。彼はそれに答え、二人はその後結婚しました。私にとっては苦い失恋の思い出です。ことロマンスに関しては、なぜかさっぱりうまく行かない時期でした。

 あとになって考えてみれば、私がほんの少し違った対応をしていれば、まったく違った展開が待っていただろうということが容易に想像できます。怪我が治らなかったとしても、ニューヨークに彼を呼び、出会った頃の熱い想いを分かち合うこともできたでしょう。毎日彼から電話をもらっていましたから、私のほうからも定期的に電話をかけて気持ちを確かめることもできたはず。

 せっかく幸せな恋愛の機会が訪れたのに、どうすれば育むことができるのか私には見えていませんでした。恋を成就させるためのひらめきが、降りてこなかったのです。……恋を成就させるために必要な行動があるということがまったく"見えなかった"ということです。

 去年、私は再びある男性と互いに熱い想いを抱き、恋に落ちました。そして付き合いが始まったところで以前と同じように元彼女が現れて、彼を取り戻そうとしたのです。このとき私は違う対応をしました。彼が元彼女との関係を清算するまで、彼とは付き合わないと宣言したのです。

 私たちの関係はわずか3日で再開しました。彼はサンディエゴ在住、私は相変わらずニューヨークに住んでいましたから、やはり長距離恋愛です。今度は私のほうから積極的に彼のいる街に出向き、定期的に一緒の時間を過すようにしました。そして1日に2、3度お互いに電話をかけあい、気持ちを確かめ合ったのです。

 出会いの経験という意味では、10年前の恋も去年の恋も同じようなものです。けれども2度目のロマンスが違っていたのは、"どうすれば恋が成就するか"の答えを私が直感的に知っていたこと。次にどんなことをすればいいのかが、あらかじめ心に浮かび、着々と歩を進めることができたのです。心に浮かぶひらめきを信じて行動に移すたびに新たなステージが展開し、二人の関係はますます親密になり、幸せ度が増していきました。

 私が経験から学んだのは、ソウルメイトとの関係は運命に導かれたものだということ。私は心の底から幸せな恋愛のパートナーを求めていましたから、そういう願いそのものが私の運命の一部であると言えます。私は積極的に相手を求め、いつも身だしなみを魅力的に保ち、社交の場に顔を出していましたが、恋愛を成就させるために必要な行動が心にひらめくことはありませんでした。本当に私にふさわしい人と出会うことによって、運命のひらめきを得ることができたのです。








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