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●水星の章
黄道公転周期約88日
☆水星が支配する事柄
知力、情報収集能力、読解力、分析力、好奇心、知的興味の分野、言語や文章による伝達能力、説明能力、初等中等の学問、短期間の旅行、通訳や翻訳
☆水星が支配する人物
王の継承者、王子、兄弟や姉妹、中学生、隣人、セールスマン、バイヤー
水星は知力、言語能力、文章能力をつかさどっています。目で見た情報や耳から聞いた情報を分析して整理したのち、文字や言葉によって表現する役割を背負っています。つまり、得た情報を文字や言葉に置き換えて、他人と交流を持てるのは水星の力のたまものです。水星の役割は記憶した情報の分析と伝達ですから、水星そのものは自発的には何も生み出しません。水星は外で見たこと聞いたこと、本やラジオ、テレビなどから得た情報を脳に記憶させたのち、言語や文章に変えて表現することで、その力を発揮するのです。
水星の星座、室、品位が良く、好ましいアスペクトを受けていると、正確な記憶力や理解力、読解力、正しい分析力にたけた人物となります。情報を瞬時に脳に記憶させ、理解、分析して、他人に伝えることができます。なめらかな口頭での説明能力などは、水星のもつ優れた力のひとつといえるでしょう。
☆水星が強い人は、第一印象がとても良いようです。
おせじがうまい、言葉が巧み、『なんとなくいい人』
といった印象が強いのです。水星の性質をたとえると
きに、『エスキモーに氷を売る能力』とよくいいま
す。まわりは氷だらけなのに、それでも氷の必要性を
感じさせてつい買わせてしまうような、そんなセール
ス能力は水星の力です。デパートにいる万能野菜切り
器の店頭販売員を思い出してください。あれこそ、
水星の優れた人の姿です。
水星は表現力を支配しています。水星が良い状態にあると世間の評判が高まり、交友関係も多彩になります。学校の成績が良く、有名校への進学も可能となり、輝かしい学歴が得られます。
逆に水星が困難な室、弱い星座、低い品位で悪いアスペクトを受けていると、精神性や人格的には優れていても、その能力をうまく世間に表現することができません。そのため、多くの人々の支持が得られず、実際の能力よりも低い評価を受けることになります。 また、舌禍を招いたり、学校の成績がかんばしくないという結果にもなりやすいのです。現代の日本の社会では、水星の能力が成功と不成功を分けることが多いようです。
好悪の感情や性的な関係、深い精神的な理解を必要としない人間関係においては、水星が最大の力を発揮します。水星は兄弟姉妹や隣人との関係の表示星でもあります。水星の配置やアスペクトが良ければ、兄弟姉妹や隣人との関係が良好で、たくさんの恩恵が得られることになります。悪い室、品位の低い星座、悪いアスペクトなどを受けているときには、兄弟姉妹といつもいがみあい、身近な人からの援助や恩恵に恵まれません。
しかし、水星は単独では大きな力を発揮しないという性質を持っているため、太陽や月など他の惑星からの影響やアスペクトについて、詳しく調べる必要があります。
☆正しい情報を手に入れれば正しい文章や言葉を提供
できますが、まちがった情報を得るとそれをそのまま
横流ししてしまうのが、水星の弱点です。
水星が他の星の影響を大きく受けるというのは、
そういった意味なのです。
どんな環境で生きていて、どんな情報源をもつかによ
って人生が大きく変わってしまうのですから、まるで
分別のない子供のようですね。
水星にかかわる事柄はコントロールしにくいのです。
それゆえ、『人の口に戸は立てられぬ』という
ことわざまで生まれてしまうのでしょう。
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