ミス・ペルセフォネーの西洋占星術研究
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●冥王星の章

黄道公転周期248年157日

☆冥王星が支配する事柄

生死、破壊、絶滅、再建、復活、変動、強制力、セックス、遺伝、遺恨、執念、遺産、秘密、ゼロか百かの極端な選択、蒸発、核爆弾、プルトニウム

☆冥王星が支配する人物

独裁者、国家の専制君主、教祖、救急救命医、消防隊、高利貸し、やくざ、売春婦

 冥王星は物事の裏側での戦いをつかさどる星です。戦いの星・火星がエネルギーを少しずつ出して攻撃をしかけるのに対して、冥王星はエネルギーを小出しにせず、究極まで蓄積し、一撃で対象物をこなごなに破壊します。冥王星は無意識的で利己的な制御しがたい衝動を支配しています。その強い欲望を達成する際、もしも邪魔者がいれば、虫けらのように握りつぶします。手段を選ばず、徹底して非人道的な方法で目的を達成しようとするのです。非人道的になる理由は、冥王星には他国、他人の法律や宗教を理解する寛大さがないからです。

 その原動力となるものは、何かに対する無意識的な恨みや執着心であり『どうしても対象をこなごなに破壊したい』と願う狂気じみた抑えがたい衝動なのです。刃物で相手をめった突きにした殺人や爆弾テロなどは、冥王星の関与によるものです。激しい恨みに駆られた瞬間、私たちの狂気のスイッチはオンになるのです。


   ☆今回のイラク戦争などは、射手座の冥王星の影響を
   受けたブッシュ大統領の狂気を感じます。正義の名の
   もとにテロの紛糾や大量破壊兵器の破壊を目的に行わ
   れたはずの戦争ですが、実は、個人的な恨みを感じる
   のは私だけではないでしょう。冥王星の強制力に常識
   や理屈はないのです。『フセイン元大統領が嫌いだか
   ら』というのが本音のような感じさえします。


 もし、冥王星の感情が愛情に影響した場合、一方的に異性を強く慕うストーカーのようになり、好きな異性にひたすらつきまといます。相手の気持ちや意志など、まったく無視して自分の感情を押しつけます。ところがもしも、相手から決定的に否定されたりしたら、愛情が一転して憎しみに変わり、今度は極度の嫌がらせに走るのです。

 冥王星の行動はゼロか百かというほどの、激しい感情に基づいているため、深い愛情だと勘違いしやすいのですが、実はその裏には、相手の財産と肉体に対する執着心があります。ですから、愛情を拒絶されると、『財産をほかの異性に与えようとしている』『ほかの異性とセックスしている』という妄想が妄想を呼び、怒りを誘い、ますます相手の財産や肉体に執着して、どこまでも追いかけるのです。ときには暴力事件にまで発展します。

 冥王星は極度に利己的な星ですから、自分以外の人間の気持ちや状況には、たとえ恋人であっても、まったくといっても良いほど関心がわきません。何か行動に移すときの動機は自分本位な欲望や感情に基づいているのです。そして、衝動を一気に爆発させると、次の段階では長い間、空虚な時間が流れます。

 冥王星が支配するものにセックスがあります。冥王星は蠍座の主星です。女性の性欲の根源とは『男性とのセックスによってプレゼントや金銭を得たり、生活を安定させること。子孫を残したり、命を継承すること』です。鵜飼いのように男性を裏側でコントロールして、働かずに不労所得や遺産を手に入れたいという金銭欲なのです。

 これは古今東西の女性に秘められた否定できない欲望です。冥王星がホロスコープの第8室(パートナーの財産や収入を支配する室)のナチュラルサインである蠍座の主星になっていることからも、女性の性欲が金銭欲と直結していることがわかります。つまり、女性の性欲は『子孫を残したい』『性によって生活の不安を解消したい』、というふたつの欲求が起因となっているのです。『就職せずに男性のお金をしぼり取りたい』という欲望は、この世のすべての女性のシンデレラコンプレックスや玉のこし願望を象徴しています。

 しかし、これは弱者的な受け身の負の欲望です。太古から、女性は負つまりマイナスの性であり、セックスによって妊娠、出産という責任を背負ってきました。予想のできない痛みや恐怖感を思うと、セックスはリスク以外の何ものでもなかったからです。女性には男性との関係において、本能的に弱者意識が備わっているため、性的な関係を結んだ男性には、多かれ少なかれ何かの代償を求める気持ちがわいてくるのでしょう。

 冥王星は戦いの星ですが、これはあくまでも恨みを持った弱者側の闘争心です。つまり、恨みや呪い、しっとなどは陰性の負の感情によって芽生えた闘争心なのです。こういった負の闘争心は実にやっかいです。だれが悪い訳でもない解決のつかない弱者的恨みは、冥王星の支配するものですが、その背景にある負の立場は、結局、因果応報によってもたらされたものだからです。冥王星が支配するものに秘密の裏金や他人のお金、遺産などがありますが、社会的な弱者の恨みや否定的な感情は、お金と性に関わる行為によってのみ癒される、ということでしょうか。

 冥王星のマイナスの側面にスポットを当てて書きましたが、良い面としては借りたものを返済しようとする衝動があります。借金の返済とは、もともと強制的に行われるものですが、冥王星の強制力によって行われます。因果応報の星である冥王星は良い行いにも返礼を求める代わりに、『借りたものは必ず返済しなくては……』という強い強制的衝動をもたらします。これが良く働くと義理堅い人物を作り出すのです。


   ☆男性が働いてお金を稼ぐという歴史的な性的役割分
   担は、このような性的な背景から生まれたのではない
   かと思います。また、鵜匠の鵜匠になろうと思って主
   婦になった人から、『土日も休みなく働き、家事は重
   労働で、報酬もなし、という情けない立場になってし
   まった。こんなはずではなかったのに……』という愚
   痴を聞いたことがあります。

    家にいるからといって、主婦もラクではないし、大
   変な努力が必要ですよね。男性は陽(プラス)、女性
   は陰(マイナス)の生物。女性だからといって、ラク
   をしようとしすぎると、手痛いしっぺ返しが戻ってき
   てしまうんです。

    また、お金と性に関わる行為によって癒されるとい
   う法則からいえば、2004年春のアメリカのイラク人へ
   の虐待も性的に関わる行為でしたね。でも、これは本
   当に深刻な問題ですから、早くなんとかしてほしいで
   すね。イラクの方々が一日も早く幸せになってくれる
   ように祈るばかりです。


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