ミス・ペルセフォネーの西洋占星術研究
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●土星の章

黄道公転周期約29年6ヶ月

☆土星が支配する事柄

努力、忍耐、我慢、苦労や不幸、責任、不機嫌、責任、制限、ストレス、規制やルール、抑制、抑圧、遅延、困難、労働、契約

☆土星が支配する人物

父親、支配者、従業員、老人、病人

 土星は障害の星と呼ばれ、物事に制限を与え縮小、遅延させる働きをします。何かが発展しようとする力を抑えてブレーキを踏むことによって、そのスピードを遅らせる働きをするのです。しかしこの力をうまく使えば、車の速度を落として事故を防ぐことができるように、物事に安定性を与えます。

 しかし、土星は生来の凶星で、強欲、利己心、怠惰を増長させます。土星が好影響をもたらす分野は仕事、お金、地位の3つで、それ以外の喜びは期待できません。つまり、お金と地位以外、その問題やテーマを腐らせ縮小する方向で動くのです。土星の影響が及ぶ分野は感情的にひどく傷つけられ、不快で不幸な体験を味わいます。

 土星の影響が強い人は、人生につねに困難がつきまといます。何をしても物事がうまく進みません。とくに思考能力や記憶力に問題やダメージが大きく、経験したことやいわれたことをすぐに忘れます。記憶力が鈍いため過去の蓄積データが少なくなり、正しい分析材料がないため、判断にミスが起こります。こういった人の場合、どうしても人生に失敗する確立が高く、つねにつきそって細かい指示命令を与えたり、チェックしたりする有能な管理者を必要とするのです。

 さて、たとえ仕事といえども、土星は簡単には喜びを与えません。長い忍従の日々の代償として責任とともにお金と地位を与えるため、仕事の分野でも多くの苦労は避けられません。しかし、もともと仕事というテーマには苦労がつきまとうため、仕事であれば土星の影響が及んでもあきらめがつくのです。

 もし、恋愛や友情に土星が影響を及ぼすと、利得を与えてくれる相手にしか興味を抱きません。恋人にもつねにお金や利益を期待するため、相手はやるせない気持ちになり、その人とのおつきあいをやめたくなるのです。

 土星の影響が親に及ぶと、情の薄い親となり、子供には最低限必要なものだけしか与えません。土星は欲深く不機嫌な星です。土星が強く影響する人は、ふだんは何に対しても興味を示しません。関心を抱くのは、そこに何か得するものが存在するときです。得するものがない人や物事にはまったく何の関心も抱かないのです。


   ☆土星は打算的な関係には良いのですが、純粋な感情
   や愛情をベースとする関係には向いていません。もし
   も恋人があなたの誕生日の夜のディナーを割り勘にし
   たりしたら、ひいてしまいますよね。でも、土星の影
   響を強く受けている恋人ならあり得ることなのです。
   あなたの誕生日をすっかり忘れているからです。


 さて、土星の良い側面には、規定や契約を守るという特性があります。あるパターンが決まるとその規定が解約されるまで、ずっと遵守することができます。それは忍耐力という長所につながります。物事に無関心という性格が、集中力を必要とする分野にはプラスに働くのです。

 また、土星は結婚している女性にとって夫の象徴星となります。母親となった女性は夫に従属して生きることが多く、一般的には子供の父親に毎月の生活費を要求します。父親には家族を扶養する義務があります。もしも父親の扶養がなければ、女性の家事や子育てといった長期的な重労働の継続には多くの困難が避けられません。そういった意味では、結婚とは男女の長期的な契約であり、子供が生まれたのちは、父親の扶養なしには成立たない関係といえるでしょう。


   ☆土星は人生の暗い側面を支配しています。老衰、病
   気、死、失業、貧困など、人生にはどうしても避けら
   れない苦難があります。土星に対抗する手段をペルセ
   フォネーは考えました。ひとつだけあるとすれば、そ
   れは人生に何も求めず、期待しないことのように思わ
   れます。自我や欲望があるから我慢が生まれ、期待が
   あるから失望します。我慢せず、失望しないためには、
   厭世観が必要なのです。しかしそれでは、苦しみを感
   じなくなると同時に、喜びも感じなくなることにもな
   りますよね。ならば、どちらもほどほどに、喜びを味
   わい失望するという、中庸の状況を保つことが土星の
   苦しみを緩和する唯一の方法だと思うのです。それは
   仏陀の教えと同じものでした。


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