ミス・ペルセフォネーの西洋占星術研究
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●火星の章

黄道公転周期約687日

☆火星が支配する事柄

エネルギー、闘争心、情熱、征服欲、支配欲、行動力、実行力、独立心、競争心、活動力、決断力、指導力、怒りの感情、アドレナリンによる興奮、衝動、腕力、精力、性的欲求、男性ホルモン、男性のセックス

☆火星が支配する人物

スポーツマン、軍人、生殖能力のある男性、女性の恋人

 火星は何かを『やりたい』という内なる衝動や欲求を支配しています。世の中にはやりたいときにだけやることがあります。それらはまさに、火星が支配する事柄といえるでしょう。火星はスポーツ、ケンカ、男性の性衝動を支配しています。性的な場面においては、女性は男性の性衝動を受け入れる行動をとります。

 ときに、女性は男性の欲望を敏感に感じ取り、あたかも、みずからが自発的に求めているかのような錯覚に陥ることもあります。しかし、それは男性の欲望を鋭く察知して、無意識のうちに共鳴しているにすぎません。いかに受け身の男性でも、性的な場面ではまちがいなく、男性側の性衝動がリーダーシップを握っているのです。

 もし、女性が愛情もないのに積極的に男性との性的な関係を誘うとしたら、それは性欲ではなく金銭欲や物質欲です。娼婦などは積極的に男性を誘いますが、求めているのはその男性の身体ではなくお金です。欲望という点においては、男性の場合は自分が性的魅力を感じる女性としか関係を結べませんが、女性の場合は、自分に性的魅力を感じてくれる男性としか性的関係を結べないのです。


   ☆『女性が性的暴行を受けた』という話はいつの時代
   もあとを絶ちません。また、好きでもない男性と積極
   的に性的関係を結ぶ『娼婦』という職業は、あらゆる
   時代にかならず存在していました。男女が平等になっ
   ても、この逆のケースはまったくないとはいいません
   が、ごくまれですよね。それは『女性は金銭欲や物質
   欲で男性を強く求め、男性は性欲で女性を強く求める』
   ということのようです。その感性の違いや真意には、
   自分と違うだけに、男女ともなかなか気づきませんよ
   ね。


 恋愛とは男女の心と体の結合です。恋愛とはアガペ(プラトニックラブ)とエロス(性衝動)が融合した瞬間に発生する特別なエネルギーです。アガペだけでもエロスだけでも恋愛は生まれません。男性側に性衝動がめばえないかぎり、恋愛に発展しないことは、男女関係の宿命です。そのため女性の場合には、自分を求めてくる男性である火星が恋人の表示星となっていることは金星の章でも述べました。このような世の中の仕組みのために、世界中の女性たちは、その矛盾やジレンマに永遠に悩み続けています。女性は自分を求めてくる男性の中からしか、恋人を選べないからです。

   ☆恋愛問題で悩む人が、男性よりも女性に圧倒的に多
   いのは、こういった理由からだと思います。『好きな
   男性は口説いてくれず、何も感じない男性から、強引
   に口説かれて恋人同士になった』こういったケースは
   本当に多いですよね。しかし女性は、この矛盾を解決
   するために、最終的にすばらしい特技を授かりました。
   それは、『自分を愛してくれる男性を好きになれる』
   という特技です。もしもこの特技がなかったら、女性
   とは不幸な生き物かもしれませんね。


 さらに、火星は『勝ちたい、他人より優れたい』という闘争心を支配しています。こういった闘争心が正しい方向性と力を得れば、めざましい発展と成長に結びつき、それが出世や名誉へとつながります。火星のエネルギーは男性ホルモンによって作られていますから、社会でメキメキ頭角を現し成功する人物には、女性よりも男性のほうがはるかに多いのです。

 遺伝子の世界では弱いものは淘汰され、強いものだけが勝ち残っていきます。『勝ちたい』と思う衝動は動物の本能であり、生き続けるため善なる衝動です。凶星と呼ばれる火星ですが、繁殖能力という見地からいえば、良い星なのかもしれません。

 ところが、種の保存という見地からみると、子孫を残す能力が高い動物イコール高等な動物とはいえません。ゴキブリやネズミ、下等な細胞や生き物ほど繁殖能力が高いように、害虫や疫病を運ぶ動物ほど生存能力が高いのです。逆にトキやタンチョウヅルなどの天然記念物といわれる高貴な動物ほど、絶滅の危機に瀕しています。

 生殖能力という観点においては、たしかに火星は善ではあります。しかし、火星はもともと生まれながらの凶星ですから、思慮分別を持っていません。衝動的に無差別的な生殖行為を繰り返し、結果的にたくさんの子孫を作ります。それは、自らの愚かなカルマを総動員で刈り取るために、どうしても必要なことなのかもしれません。


   ☆『恋人の浮気は絶対にいや』という女性と、『女房
   と畳は新しいほどいい』という男性。男女の間には暗
   くて深い河が流れているのかもしれません。浮気しな
   い男性がいるとしたら、その男性は精神性が高く約束
   を守ることができる男性です。本能に流されて衝動的
   に生きていたら、男性は浮気をしてしまうものなんで
   すね。女性の場合は、魅力的な女性ほど誘われる回数
   が多いため、必然的に浮気のチャンスが多くなります。
   どんなにモテても貞操を守るという人は、やはり木星
   が強い人ですね。


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