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No.1 地球の生命体はすべて、バランス関係で成り立っています
今からおよそ1万年前。
メソポタミアのチグリスユーフラテス河の三角州、エジプトのナイル河、インダスの峡谷、中国の黄河のほとりで、農業文明が誕生しました。田畑を耕して暮らす農民たちの頭上に輝く、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、北極星、北斗七星、シリウスたち。夜明けとともに顔を出す太陽。太陽が沈むと月が輝き、星たちがまばゆい光を投げかけます。
こういった自然の美しさも、占星術師の目から見れば、夜空に輝く星は日没から夜明けまでの、時間的変化を映し出すばかりではなく、地球と人類の関係のシークレットポイントを握る、神秘的存在といえるでしょう。まさに、暮らしの空間を指し示す、座標軸であると同時に、地球上にあるすべての生命体の存在意義の秘密を抱えたまま、はるか数億光年のかなたで光輝いている、神秘の物体というわけなのです。
と、まあ、いろいろと理屈っぽく物事を考えるのが、占星術師の性（さが）といえるでしょう。
地球上のすべての物が、なぜ、その時間にその場所で生まれ、なぜ、その瞬間に死んでいくのか。なぜ、ある人は美しく、ある人は醜いのか。なぜ、あるときは幸福で、あるときは不幸なのか。なぜ、せっかく愛してくれるその人を愛さず、愛されてもいないその人を愛するのか。「そんな疑問に答えてくれる、魔法の本があったら、どんなに幸せか……」
太古の人類のそんな切なる思いが、占星術の誕生につながったのでしょうか？
実際のところ、誰がどういう目的でこの哲学的理論を生み出したのかについては、はっきりとはわかってはいません。
しかし、わかっていないからといって、神秘思想として、ひと言でかたづけられないほど、占星術とは体系的で緻密（ちみつ）な学問なのです。しかも、地球上のあらゆる生命体、非生命体の存在のすべてのことについて、体系的に答えてくれるものは、今のところ地上には占星術しか存在しないと思います。それは占星術がこの地球上に存在するすべての物に関与し、位置づけや意味づけをしてきた学問だからなのです。
実は占星術師にとって、この世の仕組みについての謎解きをするほど、楽しい仕事はないのです。
地球上に存在するすべての物は、驚くほどのバランス関係によって保たれています。しかも、そのバランス関係が少しでも崩れると、別な力が働き、再びバランスの取れた状態に戻そうとする仕組みになっています。
それは宇宙の惑星が限りなく球体に近い構造になっていることによって証明されます。地球という惑星は24時間周期で自転をくり返し、12ヶ月周期で太陽のまわりを公転します。月は約28日で地球のまわりで円周運動をくり返します。水星は約1年1ヶ月、金星は約1年2ヶ月、火星は約2年、木星は12年、土星は約29年、天王星は84年、海王星は約164年、冥王星は約247年周期とされ、それぞれの惑星は一定の秩序を保ちながら楕円（だえん）運動を続けています。つまり、宇宙は完全なるバランス運動によって、平和な状態を維持しているというわけなのです。
読んでいる皆さん、このあたりはうっとうしいかもしれませんが、もう少し我慢してくださいね。そろそろおもしろくなってきますから……。
あらゆる物のバランス関係を分析する場合、まずミクロ的な物からマクロ的な物に視野を広げていきます。個人、家族、友だち、恋人、結婚相手、子供、グループ、会社、社会、国家、民族、地球、太陽系宇宙、銀河系宇宙、全宇宙とスケールを拡大していきます。これは、それぞれの集合体がまったく無関係でないことの暗示といえましょう。
個人の肉体のバランスが崩れると病気になりますが、家族に病人が出ると家庭内のバランスが崩れます。家庭内のバランスが崩れると、心の状態が悪化していき、仕事に身が入らなくなります。しだいに集中力が衰えミスが増えて、会社の同僚や上司にまで迷惑をかけ、さらに悪影響は拡大していきます。このような個人の悪影響を法人が受けて、法人の財政状態が悪化していくのです。法人の財政悪化は法人の倒産を招きます。法人の財政悪化によって、不良債権を抱えた日銀や日本経済は悪化し、日本経済の悪化が地球全体に悪影響を与えるようになります。このように、私たちはつねに地球と一体化しながら生かされているのです。
「自分の行いはいつか巡り巡って、自分自身におよぶ」という因果応報という仏教思想がありますが、これはまさに宇宙の真理を物語っていると思います。
たとえば、ノストラダムスの大予言や黙示録にある世紀末の恐怖は、私たち個人の緊張や怒りやジレンマとまったく同じものなのです。グランドクロスの惑星の配置の時期は、人類全体が極度の緊張に包まれています。これは決して極論でも偶然でもありません。これが占星術的なマクロ思想であり、「自然の摂理」だからです。
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