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「易」という字は変化を表しており、それは天候や自然の変化であり、社会や運勢の変化でもあります。
理解し予測するにはあまりにも複雑な世界の森羅万象を、少しでも解明したいという願いから、この世のすべてを8個の卦(か:一般的には「け」と呼ばれていますが、正式には「か」と呼びます)、すなわち八卦で表す思考法が、中国東部の部族長である伏義(ふくぎ)によって唱えられたのが、およそ三千年前のことです。そこが出発点のひとつとなり、易の誕生となったのです。
文明が進み、より高度な思想が編み出され、八卦は64卦となり、卦には、6つの爻(こう)が考案され、易はつねに進化してきました。
日本に易が伝わったのは、6世紀ごろといわれています。平安時代には、占いとして貴族社会に浸透しはじめ、江戸時代に至って全盛を迎え、武士から庶民まで広く知れ渡っていきました。 |
易の基本になるのが「陰陽(いんよう)」の概念です。
陰陽の概念では、すべてのものを相対するものとしてとらえています。裏と表、下と上、女と男、弱と強、柔と剛など、あらゆるものは対照的な存在があって初めてその存在が明らかになるのだと考えるわけです。
易の世界では、「陰」を中央が欠けた横棒、「陽」を欠けない横棒で表していることが多く、この陰陽の組み合わせが「卦」というかたちで、運勢の全体的なイメージを構成しているのです。
易は通常、算木や筮竹(ぜいちく)、サイコロなどを使い、卦を得ます。
ひとつの卦は、6個の陰陽が縦に組み合わさって構成されています。3つの陰陽を組み合わせたものを八卦と呼び、ふたつの八卦を組み合わせたものが、ひとつの卦になるのです。つまり、ひとつの卦には、ふたつの八卦があり、下から3つの陰陽を組み合わせた八卦を「内卦(ないか)」と呼び、さらに上の3つの陰陽を組み合わせた八卦を「外卦(がいか)」と呼んでいます。
内卦は、自分自身や内部の環境、心の内側、内面、下にあるもの、指導される側など、外部や上部に対する内部や下部という意味をもっています。
外卦は、自分の相手、外側の環境、表面、外面、上にあるもの、指導者側など、内部や下部に対する外部や上部という意味をもっています。
このように、八卦がふたつ組み合わさることで、64通りの卦ができるのです。 |
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爻とは、卦を構成する6本の横棒の中から、ひとつが選ばれて与えられるものをいいます。卦の横棒を下から順に、初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と呼び、それぞれどの位置に爻が与えられたのかによって運命が変化していきます。
卦が運勢における全体の意味を表すのに対して、爻というのは、運勢の時間的な変化を示したり、運勢全体の動きや方向性を示してくれる重要な役割を担っています。
つまり、卦だけでは運勢の概要しか判断できず、爻を知ることによってのみ、運勢がどのように変化していくか、詳細かつ具体的なアドバイスを知ることができるのです。「爻」は、運命の変化を知る、「決め手」となるのです。
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