金森藍加のケルト占星術
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守護樹について

 何千年もの昔。ケルトの神官であったドルイド僧たちは、秘儀ドルイディズムにより「樹の暦」を作成。「樹の暦」は13の神聖なる守護樹からなり、その樹のもとに生まれた人々に対し、どのような場所で、どのように枝を伸ばし、年輪を重ねていけば良いのか……など、「あなたの本当の生き方」について教えてくれます。

守護樹の名称と意味

カバの木

●1月の樹 カバの木

 1年の始まりを告げるカバの木。幹がまっすぐに輝き、繊細なる枝々が長くしなやかに伸びる……。その優美な姿は、「Lady of the Woods(森の淑女)」と呼ばれるにふさわしいでしょう。しかし、その姿とは裏腹に、最後の氷河期のあと、地上に最初に根づいたと言われている生命力あふれるカバの木。ほかの樹木ではとうてい育つことができないほど寒く、過酷な荒野においても、真っ先に根を下ろし、グングン成長していく「開拓者」の樹でもあるのです。

 また、誕生、生命サイクルの永遠性、浄化作用のシンボルとされ、新年の儀式では、カバの枝を燃やして厄よけをしました。カバの樹皮は皮膚に良く、抽出した油は、現在においても優れた治療薬として使われています。

ナナカマド

●2月の樹 ナナカマド

 新年が終わり、冬眠から人々の意識を目覚めさせる色鮮やかなナナカマド。たくさんの熟した赤い実がなるナナカマドの森は、おなかをすかせた鳥たちの楽園です。ナナカマドは昔から、霊的な力を高める樹として、魔女の占い棒に使用され、「魔女の樹」と呼ばれてきました。神聖な樹としてあがめられ、2月1日に行われるケルトのお祭り、「インボルグ」では、火の女神ブリジットにささげられます。

 また、ナナカマドの実についている五角形の星型(ペンタグラム)は古代から魔よけのシンボルとされているもの。ドルイド賢者たちは聖なる儀式の場において、ナナカマドをぐるりと囲むように植えました。そして、ナナカマドを燃やした煙によって、異界からの霊を呼び出したのです。

トネリコ

●3月の樹 トネリコ

 トネリコは、枝先を天に向かってまっすぐ伸ばし、地中深く根を広げていく、天空と大地を貫くダイナミックな樹木。古代から、宇宙樹と呼ばれ、偉大なる神秘の象徴とされてきました。ケルト神話でのトネリコは、宇宙の秩序をあらわすものと考えられ、真理を知るためのカギとされてきました。

 また、水と海に関係の深い樹木であり、ドルイドはこの樹の下で雨ごいをしました。雷が落ちやすいとされるトネリコの樹は、稲妻を呼び、海を支配すると言われています。そのため、海に出る人たちは、水害から身を守るために「トネリコで作ったお守り」をつねに携帯していたのです。また、男性と女性の二極的エネルギーを持ち合わせるため、「結婚の樹」として、恋愛成就を願う恋人たちに信仰されてきました。

ハンノキ

●4月の樹 ハンノキ

 あまたある植物の中で最初に花を咲かせ、春の到来を告げるハンノキ。ハンノキは豊かさをもたらす愛すべき巨大な神ブランにささげられたと言われ、人々の幸せと繁栄をもたらす象徴でもありました。猫のしっぽのような雄花は目を楽しませ、春を待ちわびたケルト人たちの心をわき立たせたのです。日本においても、田んぼのまわりにハンノキを少しずつ植えて開墾をしている姿が見られますが、これはハンノキがいち早く成長するため。

 ハンノキの根には根粒菌(窒素を固定し、アミノ酸などを植物に供給する)があり、土壌を豊かにします。これもまた、ハンノキが、大地に幸せと恵みをもたらすと言われている所以(ゆえん)でもあります。

ヤナギ

●5月の樹 ヤナギ

 水と関係が深いヤナギの樹。トネリコは海とのかかわり合いが強いのですが、ヤナギは川や動植物の繁殖、本能的な部分をつかさどると言われています。日本でヤナギといえば、「シダレヤナギ(枝垂れ柳)」で、細い枝が長い髪を垂らした女性を連想させますが、ケルトにはクラックウィロウのように枝が垂れることなく、上向きに伸びている種類もあります。日本のヤナギがほっそりとした、たおやかな女性をイメージさせるのに対し、ケルトのヤナギには若々しく、はつらつとした女性のイメージがあるようです。

 ヤナギはそのしなやかな美しさ、生命力の強さから女性の樹と呼ばれ、霊的なパワーが宿るとされてきました。月のパワーをあびたヤナギは、霊感を高め、インスピレーションを与えてくれるので、ケルトの詩人や芸術家たちは瞑想(めいそう)のためにヤナギの下にこもったのでした。

サンザシ

●6月の樹 サンザシ

 サンザシはバラ科の植物で、花が満開に咲く春に、甘く濃厚な香りを放ち、ミツバチや蝶(チョウ)を誘います。秋になると、かわいらしい小さな実が真っ赤に熟し、小鳥たちを魅了するのです。果実も葉も美しいサンザシにはトゲがあるため、生垣として利用されました。また、赤い実は甘酸っぱく、ミネラルやビタミンを含み、薬用として用いられています。

 ケルトにおいて、サンザシは妖精のすみかであり、樹を切ると過去の記憶を失うとされています。また、生命のプロセス(セックス、妊娠、出産)のシンボルでもあります。ケルト人にとって、セックスは人生になくてはならないものであり、愛の神聖さを表現するもの。サンザシは、「愛の祝福」を意味しているのです。

オーク

●7月の樹 オーク

 太くどっしりとそそり立つオークの樹は「森の王」とされ、威厳と勇気のシンボルでした。神聖な樹として崇められたオークはドルイド賢者たちの杖として、魔術に用いられました。ドルイド(druid)という言葉も、ケルト語でdru(オーク)とwid(知る)からなり、ドルイドとオークの強い関係性をうかがうことができます。現在においても、耐久性に強く、磨けば磨くほど美しく輝くオークの樹は、ヨーロッパにおいて最高の木材とされ、親しまれているのです。

 また、長寿樹として知られているオークは、ドングリをたわわに実らせます。多くの鳥や昆虫、動植物たちを繁栄させる、「包容力のある偉大なる長老」のような樹なのです。

ヒイラギ

●8月の樹 ヒイラギ

 ヒイラギはやさしく香る白い花、トゲのある葉、赤い実が印象的で、クリスマスツリーなどに飾られることで有名です。11月の樹であるキヅタと相性が良く、ケルト神話においてもヒイラギとキヅタが絡み合って成長してゆく姿が描かれています。ヒイラギは生命力あふれる「男性エネルギー」を、キヅタは生命を生み出す力をもつ「女性エネルギー」を表しています。

 日本でも節分の日には、ヒイラギの葉にイワシの頭などを刺して、家の戸口に飾ると、悪魔よけになるという風習があります。ケルトやヨーロッパでは、ヒイラギは神聖な樹であり、冬の間、家の中に置いておくと魔よけになるとされていました。

ハシバミ

●9月の樹 ハシバミ

 ハシバミの実は昔からヘーゼルナッツと呼ばれ、栄養の多い実として愛されてきました(オレイン酸をたっぷり含み、悪玉コレステロールをやっつけてくれます)。ハシバミの実を食べたものには、知恵が授けられると言われ、ケルト神話においては「聖なる鮭(シャケ)」だけがこの実を食べることができると言われていました。

 また、ハシバミは空間を探る力があるとされ、水脈や金脈を探すダウジングの棒に使われています。占い棒として、旅人が道に迷ったり、殺人者や泥棒などの犯人を捕まえるときにもインスピレーションを高めてくれるハシバミが愛用されています。知識、学ぶこと、その真実をもたらしてくれるハシバミは、知恵のシンボルなのです。

リンゴ

●10月の樹 リンゴ

 ケルトにおいて、「ティル・ナ・ノグ(常若の国)」は、海の彼方にあるという楽園。永遠に老いることなく、誰もが幸せに楽しく暮らしているというその島には、「リンゴ」がたわわに実をつけていました。リンゴはケルトにとって長寿と永遠なる愛の象徴なのです。

 キリスト教において原罪の象徴として扱われているリンゴですが、キリスト教以前のヨーロッパでは愛の果実として神聖視されてきました。ケルトの神々の食べ物とされ、愛し愛されることのすばらしさをもたらしました。そのため、リンゴの木片は恋愛成就のお守りとして用いられ、恋人たちの愛をはぐくんできたのです。

キヅタ

●11月の樹 キヅタ

 英語ではアイビーの名で知られるキヅタ。地をはい、樹木や岩を登りながら、宿木にとりついていきます。茎はからまりながら宿木へと伸びていきますが、締めつけることはなく、養分も吸収しないので、宿木を枯らしてしまうことはありません。しかし、光を遮ってしまうこともあるので広がりすぎると宿木の負担となるでしょう。悪条件でも育つことから、外壁の飾りとして人気となりました。

 キヅタはケルトの女神アリアンロッドにささげられたと言われ、太陽と月との関係性をも表すと言われています。また、ケルトでは「女性に幸運をもたらす樹」とされています。

アシ

●12月の樹 アシ

 湿地に群生する多年草。丈夫な茎は小船をつなぐ縄として、その茎はペンとして使われました。月あかりの下で聞こえる、風になびくアシの歌声……それは妖精のささやきでもありました。10月31日深夜から11月1日まで行われるケルトのお祭り、「サウィン」は、新年の始まりの前夜に行われるものです。この時期、時空の境界が一時的に取り払われ、異界の霊が生者と自由に交流するため、霊的なエネルギーが最高潮になります。普段は目にすることのできない「異界」と、「人間界」をつなぎ止める植物とされたアシは、神秘的なパワーを発揮するのです。そのしなやかで強い物腰は「柔軟性をもつこと」の大切さを私たちに教えてくれるでしょう。

ニワトコ

●13月の樹 ニワトコ

 ハーブとして知られるニワトコ。古代より「悪霊を寄せつけない樹」と言われ、戸口に飾られました。花粉症や皮膚病などにもよく効き、発汗作用があるため、解熱には最適。クリーム色の花は、マスカットに似た芳しい香りを放ちます。その香りは人間を異界へと連れていくと言われているほどです。13月の最後に登場するニワトコは老いて枝が枯れても、すぐそばから新しい茎が生えてきます。

 また、挿し木をしてもすぐに根づいてくれます。そのため、死と再生のシンボルとされているのです。ドルイドたちは、死へいかに旅立つか、いかなる再生をもたらすか……のカギがニワトコにあると考えていました。後悔のない死と、新しい生命への旅、ニワトコは誇り高い生き方を教えてくれるのです。
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