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私たちを取り巻く自然には、「超自然」と呼ばれるパワースポットや、異界への入り口が存在しています。ケルト人は超自然を崇拝し、ドルイド賢者たちは、その聖なる場所と密なるつながりをもっていました。自然の一部である人間にとって、「超自然」こそ、心身を癒やし、本当の自分を見いだしてくれる力となるのです。
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●1月の樹 丘
丘の地下には異界があって、美しい宮殿には、ダーナ神族が住んでいると言われています。ストーンヘンジやケルトの巨石遺跡なども丘の上に建てられており、丘には、超自然的なパワーが秘められていることを示唆しています。また、巨石を守っている「コレドの妖精」は、とても踊り好き。月の輝く夜には、いつも丘の上でパーティを開いていました。ですが、不注意にもそこに人間が近づけば、ひと晩中、強制的に踊らされ、疲れて死に至ることも……。しかし、妖精が喜ぶ芸を人間が披露すれば、たくさんの報酬をくれました。つまり、丘には人々が目指す理想郷もありますが、人が努力を忘れ、欲におぼれれば、死をもたらすことも表しているのです。 |
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●2月の樹 滝
山や森の奥にある聖なる場所、滝。古来、滝には浄化のパワーがあり、「あるものが去り、あるものが生まれる場所」とされてきました。勢いよく流れ落ちる水音や、岩へ飛び散り舞う水滴を眺めているだけで、時が止まっているかのように、心が落ちつく場所なのです。また、修行を行う者たちや、新しく生まれ変わりたいと願う人たちをひきつけてきた場所でもあります。滝は、心の中でストレスがたまっている状態のときに表れます。そのストレスを滝に投げ込み、落ちて霧となるか、新しい泉へと再生させるのか。今、新たなステージが始まろうとしていることを予感させるものなのです。 |
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●3月の樹 海
海は万物を育ててきた生命の母であり、愛情を象徴しています。豊かな海は、魚や貝などの海の恵みを育て、豊かな愛情は、愛し愛されることの幸せと官能をもたらしてくれるでしょう。しかし、人の心は表裏一体。嵐のごとく、うねる感情は、時に人をのみこんでしまうこともあるのです。闇や悪を象徴する神として恐れられていたフォモールは、「海の下」を意味していました。心の奥底に住む魔物を表していたのかもしれません。では、真実の愛はどこにあるのでしょうか? 海のかなたには、永遠の楽園、アヴァロン島があると言われています。そこは、肉体も心も超越した魂の住処(すみか)であり、至福の愛を体感することができる場所、と言われています。
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●4月の樹 港
ケルトでは、人生は旅と考えています。この世に生まれ落ちたときから、私たちは光へと向かっていく旅を始めているのです。そして、その旅の始まりは、港。夜明けとともに船が出て行く港には、旅への不安もありますが、それを乗り越えて余りあるほどの、夢や希望も満ちあふれているのです。私たちの毎日も旅の連続。出会いがあり、別れがあり、おもしろいことや悲しいこと、イライラすることやワクワクすること……さまざまなことが、あなたを待っていることでしょう。幾多の選択をしながらも、道は続いていくのです。港は、魂を成長させるために前を向いて歩いていくことが必要、と告げています。 |
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●5月の樹 開拓地
西はアイルランド、東はトルコにまでおよんだ、ヨーロッパ史上屈指の一大民族ケルト。誰も足を踏み入れたことのない世界を開拓するには、自然との共存、目に見えない脅威、言葉の通じない相手との葛藤(かっとう)など、さまざまな戦いがありました。夢やあこがれだけで、向こう見ずに走れば、いずれ、挫折(ざせつ)することになるでしょう。しかし、先のことを考え、心配ばかりしていても新しい世界は開けません。苦難を乗り越えていくには、強い責任感と、仲間との団結力、そして、信じる力をもって進んでいくこと。そうすれば、夢みていた虹の新世界を手にすることができるのです。
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●6月の樹 遺跡
現在の知識は万能であるかのように見えますが、真の知恵を忘れているがために、悩みも深くなっているのです。そのことに「気づき」を与えてくれるのが遺跡。ケルトの遺跡の多くは、ドルメン(聖石)でつくられており、そこは、ドルイド賢者たちが根源的な力とコンタクトをするため場所でした。有名なケルトの遺跡に、巨大古墳ニューグランジがあります。愛の男神オィンガスの住処(すみか)と言われたニューグランジは、五千年以上前につくられ、狭く長い羨道(せんどう)の先には、子宮のような石室があります。石室には小窓があって、冬至になると、太陽の光が一条の輝きとして差し込むのです。それは、新しい年の幕開けであり、生命再生の時を示しているのです。 |
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●7月の樹 月
ドルイド賢者たちが儀式をするとき、畏敬(いけい)の念をこめて、月を迎えました。そして、ケルトの「樹の暦」も、月の満ち欠けによって作られています。なぜなら、月は無意識である人の本能を支配し、人間本来の生命リズムに沿ったものだからです。人間の感情や本能は太古の昔から変わることなく、心身に息づいています。そのリズムに沿ってこそ人は幸せを感じ、未来を予知することもできるのです。感情は潮の満ち引きのごとく変化し、本能はセンシュアルな世界を私たちにもたらしてくれるでしょう。水に浮かんだときのような、無重力の感覚を与えてくれるのが、月なのです。 |
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●8月の樹 大都市
大都市は地位と名誉、野心を求める人には最高の場所です。より新しいもの、便利なもの、高級なもの……、そして、誰よりも優れていたいという欲望を満たしてくれるのです。それこそ、人類文明の発展につながっていくパワーなのでしょう。しかし、時に、物質的繁栄の渦に巻き込まれてしまうことがあります。街は人や物であふれるがゆえに個々の大切さを忘れ、背伸びしすぎることで自分の身の丈を測りまちがうこともあるのです。物質的にどれだけ豊かになっても、愛や人のぬくもりがなければ、幸せは逃げていってしまいます。そして、本当の愛や友情をはぐくむためには、時間がかかるということを忘れてはいけないのです。 |
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●9月の樹 宇宙
オレンジ色に輝く美しい夕焼けや、漆黒の闇に光る無数の星々を目にするとき、自分という存在が、今、この時だけのものではないことを知るでしょう。肉体が滅びても、魂は消えることなく、悠久の時を輪廻転生(りんねてんしょう)していることを感じ取るのです。なぜなら、宇宙には、魂のふるさと、おおいなる生命の根源があるからです。そして、宇宙も魂も、人生も渦巻のごとく、果てしなく続いていくのです。石が環状に並べられている古代の遺跡などが多く見受けられるように、ドルイドは「円」を大切にしていました。「円」は宇宙を象徴し、また、人間にとってなくてはならない太陽も表しているのです。 |
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●10月の樹 森
森は魂を癒やし、超自然(スーパーナチュラル)の啓示を与えてくれる場所と考えられています。森を形成する樹木は、長寿であり、安定した年月を刻むものとして、崇拝の対象でもありました。不可思議な霊力の泉でもある森で、ドルイド賢者たちはその超自然なパワーと交流するために、秘密の祭祀(さいし)を行っていたのです。そして、膨大なる知恵を後世に伝えるため、森の奥で幾年にもわたる修行を積み、さまざまな預言を人々に伝えていったのです。森は疲れた心と身体を癒やしてくれますが、森の波動に狂いがあれば、異界へと引きずり込まれてしまうこともあるので気をつけなくてはいけません。 |
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●11月の樹 洞窟
古代の人々は、洞窟に芸術作品を残しました。なぜなら、長い年月を感じさせる洞窟は、異界へと通じる道であり、迷宮だからです。洞窟の暗く、狭い、曲がりくねった道を歩いていると、あなたはいつのまにか、迷ってしまうでしょう。そして、妖精や精霊たちと出会ったり、自分の人生を振り返り、過去を知ることの大切さを学ぶことになるのです。岩にとざされた暗闇では、あなたの心の明かりだけが頼り。出口を探して、無意識の中をぐるぐると巡り歩くあなた。時に、自分の中に巣食う魔物と対峙(たいじ)することもあるでしょう。けれど、真実を知りたいとあなたが望んだとき、知恵があなたを洞窟の外へと導いてくれるのです。 |
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●12月の樹 砂漠
湖の妖精ヴィヴィアンと敵対関係にあったのがクラウダス、砂漠の王です。砂漠は、水の潤いもなく、緑もない、荒涼とした場所。果てしなく続く砂漠を歩いていくと、風が吹き、砂はあなたの服や顔、身体中に吹きつけて、あなたを砂漠の風景にしてしまうでしょう。歩いても聞こえてくるのは、風と心臓の音だけ。あなたはさみしさを感じ、孤独を探求するのです。今まで自分を虚飾していたものが、すべて砂色に変わり、残ったものは、あなたの魂の輝きだけ。しかし、立ち止まってはいられません。砂の下にうずもれてしまわないように、あなたは歩き続け、水のありかを探そうとするでしょう。 |
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●13月の樹 秘境
秘境は、人が足を踏み入れることを前提としていません。そこは、自然のエネルギーにあふれた霊的なスポット。自然がそのままのカタチで残されており、目で見ることのできない、異界の地なのです。苦労してその地を訪れても、曇った心では、あふれる自然のエネルギーを感じることはできないでしょう。勇気をもち、自分自身を解放することによって、あなたは新しい世界を体験することができるのです。木々が語りかけ、夢魔族プーカがさっそうと駆けていくのを見かけるかもしれません。そして、秘境をさらに進んでいくことで、あなたは本当の旅の目的を知ることになるのです。 |
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